初代の「GTO」に出演していた彼は、主演・反町隆史との絡みはそこそこあれど、正直あまりかっこいい役どころではなかった。内気でおとなしい性格、女子からもいびられて、挙げ句の果てに飛び降り自殺未遂までする。しかし、反町演じる鬼塚との出会いによって、徐々に変わっていったという、劇中での人物設定。
それが今やどうだろう。「GTO」で当時、小栗と同級生役で脚光を浴びていた池内博之はすっかり姿をみなくなったし、彼を虐めていた張本人・中村愛美はどこに行ったの?って感じで、窪塚洋介はリアルに飛び降りた・・。平成28年現在、ドラマや映画の主演を張れるのは、あのメンバーの中では、もっとも地味な扱いをされていた彼、小栗旬だけである。
華々しいデビューを飾って、その後、尻すぼみに終わるよりも、最初はパッとしなかった人物がだんだんと成り上がっていく方がかっこいい。ヒトはその「プロセス」を見る。トータル的な勝利の過程を...
球界の「オグリ型」は、中田翔。正月に出演したバラエティ番組で司会の芸人から、まさに『一年目はまったくダメだった』なんてイジられていたが、一年目どころか本格的に一軍に定着したのはプロ4年目のことである。
からきし打てなかった時期がありながらも、ハムの4番打者を務め続け、ついにジャパンの4番にまで成り上がった男。昨年キャリアハイの本塁打数を記録し、今後まだまだこの数字を伸ばしていきそうな気配すら、周囲に漂わせている。
『三冠王を狙える』。指揮官が真顔で口にする。打率は高くない中田に三冠王は難しいだろうと思いつつも、大器晩成「オグリ型」の中田であれば、いつか本当に実現するのではないか・・。事実、20日のヤクルト戦では一発を捨て、広角に打ち分けた「巧打」なんかを見せつけられると、一層そんな気も湧き起ってきてしまう。
登場曲に使用しているビーグルクルーのあの曲の秀逸さに、最近になって気づき、そして教えられた。『ショー(翔)タイム』のところでなく、いちばん大事なのは中田翔がファンにとっての「My HERO」であったことに---
2016年も頼んだぞ