どちらの肩を持てばいいのか分からない
快晴なアリゾナの空の下で行われたファイターズの紅白戦。大谷翔平VS斎藤佑樹‥‥。こんな「夢対決」が見られるのも“ならでは”であるが、両者の明暗はクッキリと分かれた模様だ。3番・指名打者で出場した大谷が猛打賞だったのに対し、先発した斎藤は2回を4失点。
‥どうも斎藤が絡むニュースとなると、こういったのが多くて気が滅入る。昨年の彼は、他の投手が苦手とする「立ち上がり」が不思議と良かった。すんなり“ゾーン”に入っていけるのを長所と捉え、途中、首脳陣は中継ぎをやらせた背景も、あったかもしれない。だが、この日は初回から乱れてしまった。
一軍生き残りをかけて、必死にアピールし続けなければならない斎藤。さりとて大谷も、昨シーズン不調をかこった「打」の方でも、二刀流を継続するならば、しっかり結果を残す必要がある。
二人とも頑張ってほしい。相手が相手だけに、翌日のスポーツ紙にその戦績が載せられるのは互いに目にみえている。お金持ちのエリート実業家Aサンをとるか、いつも私だけに優しい、笑顔の素敵な幼なじみのBクンをとるか。揺れる乙女ゴコロ‥‥。佑ちゃんを応援するか、ショーヘイを応援するか、揺れるオヤジゴコロ‥‥。嗚呼、どうにかならないものか。
今の両者の“ポジション”的に、より懸命にならなければならないのが斎藤佑であるのは、誰の目で見ても明らかだ。大谷は、よほどのことがないかぎり、今季もバッターをやらせてもらえるだろう。したがって、紅白戦だけは、せめて斎藤に“花を持たせて”あげてほしいと個人的に思ったが、そこは男と男の勝負の世界。そういうわけにもいかぬのだ。
時期的にタイムリーで、ふと私の脳裏をよぎる。あの「番長」と呼ばれた男がかつて、高校の先輩がジャイアンツの入団テストを受験した際、打者連中に『打ったらしばくぞ!』などと脅し、実際にわざと凡打を繰り返して入団のアシストをしてあげたという、嘘か誠か分からないハナシがある。本当にあの頃から、ある意味“何でもアリ”な男だった。
むろん、ファイターズにそうした「
幸い、今季はもう「対戦」することもないだろう。そんな選手が同僚として自軍にいるのを強みにして、見おろして投げたらいい。だってベーブルース以上の打者なんか、他チームにはいないのだから。