2015年08月20日

男の分岐点

東海大相模の吉田凌投手と小笠原慎之介投手‥ですか?


いいねぇ。 左右の本格派2枚を揃えるチームなんて、高校野球は100年の歴史を誇るといえど、これまであまり訊いたことがない。とりわけ左の小笠原投手。噂では耳にしていたけれど、あれはホンモノだ。しなやかなフォームから繰り出される150キロ超えのストレートは実に魅力。

過去に同じ左腕で同等の速球を放る、甲子園を沸かせた球児は、上半身の力だけに頼るようなフォームで、なにか危なっかしい感じもしていた。盟友・吉田投手がいたことで酷使も‥おそらくされていないはずの彼は、今後も一線で活躍できる器なのではないだろうか。‥卒業後の進路はどうするのだろう。


同校卒で彼らの大先輩にもあたる、日ハムの市川友也捕手‥ですか?

いいねぇ。 いや、ほんとに。私の中で今、市川の評価が急上昇中だ。打てる、肩が強い、味のあるリードもする。あの大野ですら控えに追いやってしまいそうな勢い‥。なぜこれだけの選手を捕手の人材難に泣く、読売が放出したのか。まったくもってして謎だ。

ある意味では市川が色んな選手の「運命」を変えた。市川が腰の手術によって出遅れさえしなければ、昨シーズン同様に、近藤は今季もサードの守備に就いていたかもしれない。その近藤が捕手から指名打者へと今度は“居場所”を変えて、強打にますます磨きをかけている。


変幻自在のリードで大谷を今季3度目の完封に導く、18日の千葉ロッテ戦も白眉であったが、翌日の新垣勇人のプロ初勝利を攻守にわたってアシストした、市川の功績はあまりにも大きい。「アイツに勝たせてやりたい」 そういった執念が画面越しからもヒシヒシと伝わってきた。効果的な2本のタイムリーに、守っては新垣以下、継投の4投手で相手打線をわずか1安打に封じ込める好リードを展開...

『(市川は)いつも口が悪いから』だなんて、お立ち台で新垣が“ちゃらけれて”いたけれども、見ようによっては夫が妻のことを語る夫婦のようで、なんだか微笑ましかった。強気にグイグイと、ときにイジらしくプイとかわしながら‥巧みに投手をけん引してゆける市川なら、きっとどんな投手に対しても、良き「女房役」として徹し切れることができるだろう。それを強く感じた一戦だった。


市川と中学時代にはバッテリーを組んでいた経験もあるという、新垣。メンドーサの体調不良を受けての「緊急登板」であったが、5回2失点の力投で初勝利。相手の強力な外国人コンビを向こうにしても怯まず、立ち向かっていく姿が印象的だった。

この新垣という投手‥‥自分の中では「持ってない男」、実はそんなイメージが根強かったのである。これまで何度か先発の機会を与えられながら、出れば打たれる繰り返しで早期KOされてしまうシーンも多かった。私も現地で観戦してきた昨年終盤の埼玉西武戦などがその最たる例で、序盤に7点をリードをもらいながら、またしてもダメ。

投球自体は非常にまとまっている。二軍戦では好投する。だが、一軍となるとまったく通用しない。過去2シーズンの防御率はともに10点台‥‥。かつてハムに在籍し、未完のままに終わった某甲子園優勝投手をも彷彿とさせた。


この日はいい意味での「開き直り」があったかもしれない。本来ならなかったはずの登板。ダメでもともと。仮に打たれたって、これで評価を下げてしまうこともないだろう‥。それこそ好投できれば“儲けもの”くらいの感じで。以前までの先発と違って気負いはなく、緊急招集となって逆に自然体で試合に臨めた。人間、一切の欲を捨てたり諦めたりした途端に、不思議と幸運が舞いこんでくることがよくある。19日の新垣がまさにそれだった。

2軍のローテーション次第によっては、新垣の役回りが浦野にも高梨にもなっていた可能性がある。そもそもメンドーサに何事もなければも、決して巡ってくることのなかった先発なわけで。タイミングがよかっただけでは済まされない人生の妙、野球の妙‥。 今、ここに訂正したい。

新垣勇人は、持っていた。

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posted by 羽夢 at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | FSコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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