2015年08月17日

「秘密兵器」

城石憲之や小林宏之も忘れがたい選手だけれど、アマチュア時代のインパクトでは中里篤史が一番だった。

キレ味鋭いカーブと、形容するならまるで「バズーカ砲」のようなストレート。2000年、甲子園出場に最後の望みをかけた高3の夏は、坂元弥太郎擁する浦和学院と対戦し、延長の末サヨナラ負けで敗退した。埼玉県下ではともに屈指の右腕として名を馳せた坂元との投げ合いは、高校野球ファンの間で今でも語り草となっている...


右腕。浮き上がる直球。‥春日部共栄高校卒。甲子園には縁がなく、ドラフト1位でプロ入り。辿ってきた道は、ここまでは日ハムの中村勝と一緒だ。大きく道を分けたのはプロ入り前に故障をしたか、プロ入り後に負ってしまったか、その違いであろう。

ドラゴンズ入団後まもなくして肩を痛めた中里に対し、ゆっくりと時間をかけながらであるが、比較的、順調に育ってきた中村。昨年チーム2位タイの8勝をあげ、さらなる飛躍を目指して挑んだ今シーズンは春先2度の先発失敗が響き、7月まで2軍生活をしいられた。

連戦が続く今月に入って再度与えられた登板の機会。「リベンジ」を期した初戦は打線の援護なく敗戦投手となったものの、6回を2失点。好投を展開する。以後の2試合でもクオリティスタートを達成。今季初白星をあげた16日の東北楽天戦では7イニングスを投げてソロホームランだけの1点に封じこんだ。持ち味の緩急を活かした“らしさ”が、ようやく戻ってきた。


この時期になって若い馬力のある中村が“戻って”きたのは、先発の頭数からいっても大きいけれど「夢想家」である私は、ついこんなことを期待してしまうのだ。日本シリーズの巨人戦で、中村勝をぶつけてほしい---

2008年、巨人打線を翻弄してシリーズMVPに輝いた西武の岸孝之。彼の投球を「手本」にしたというダルビッシュ有も、翌年の巨人とのシリーズで勝ち投手となった。両投手に通じたキーワードは、カーブ‥‥。巨人打線は縦の変化に弱い。実際にカーブを最大の武器とする中村が、3年後に巨人相手に好投をしたのが記憶にも新しい。

この2012年はシーズン2勝どまりであったが、後半戦に尻上がりに調子をあげてポストシーズン登板の機会を得た。感じとしては今年と似ている。今の日本のプロ野球であれだけの落差の大きいドロップ気味なカーブを投じる選手もそう多くはないだろう。‥まあ巨人戦にのみならず、中村が今後“秘密兵器”となって敵を幻惑してくれる可能性は大いに有り得る、のではないか。

筆者と同郷であり「彩の国」が生んだスター。個人的に思い入れもある。北の大地で輝いた背番号「36」の未来に、幸あれ。 ≪Next≫愛の行方


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ラベル:中里篤史 中村勝
posted by 羽夢 at 10:37| Comment(0) | TrackBack(0) | FSコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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