2015年05月12日

【私がアナウンサー】 -ノンフィクションを直視せよ-

昨オフだったか、複数の西武の選手が「熱愛ネタ」で週刊誌上を賑わせていた...


とある番組で「どうして西武がモテるのか?」といった議論が持ち上がり、その辺の事情に詳しい専門家の話によると、同じ首都圏に本拠を置く球団ながらも『あそこは巨人の選手とちがって、記者たちから密着マークされていないから』 そういった見解を示していた。

なるほど密会するに、程良い“距離感”があるということなのだろう。そういえば工藤公康や清原和博も、「所沢時代」はずいぶん派手にやっていたらしい‥。それでも大々的に取り上げられないところが、パ・リーグにいる数少ないメリット(当時)だったのかも知れない。


たしかこの嬢もかつて、獅子のスタープレイヤーと、交際が明るみになったことがあった。元フジテレビアナウンサーで、現同局の顧問弁護士・菊間千乃(43)さん。

朝の番組の生放送中に起きた、転落事故‥‥。もう17年も前になるが、某有名動画サイトなどで、その一部始終を現在でも確認することができるので、若い方でもご存知の方はわりと多いのではないか。あの衝撃的な事故から約2年経って上梓した、「私がアナウンサー 菊間千乃」を読んだ。




本によると、彼女が負った傷は「第六胸椎圧迫骨折」「第一腰椎圧迫骨折」「左右の第七肋骨骨折」「肺挫傷」「仙骨にひび」 これをみただけもかなり重症と判る。結果、本格復帰までに3カ月もの期間を要したのだけれど、むしろ、よくぞそれだけの短い期間で回復できたものだ。その復帰までの道のり、事故前後を含めた自身の回想と、医師や関係者の証言などを元にして綴ったのが本書である。


弁護士になってからの彼女について、筆者は詳しくは知らないが、そのだいぶ以前から、頭の良い人であったのだろう。事実を端的に伝え、無駄がなく、まとまった文章で読みやすい。一浪して早稲田に入ったくらいだから、相当な努力家でもあるのだろう。‥いや、そもそもそうでなければ、あの大事故からの生還など、絶対に起こりえなかったはずだ。

そんな彼女もとりわけ入院中での、心身においての苦痛には幾度も挫けそうになった。けれども、家族の支えや報道を知った人たちからの励ましの声もあって、なんとか前を向いてゆけた。何回か登場してくる「カレ」とは、おそらくあの選手を指すのであろうが、具体的なことはもちろん触れていない。ただ、優しかったカレが当時の菊間さんの励みとなっていたのは、確かなようだ。


“生かされた”と知った彼女はどこまでも強く、自分がいるべき場所に戻るため、先の「未来」だけをみた。したがってこの手の本にありがちな生い立ちなどを記した章は必要最小限にとどめ、彼女がいかにして絶望の淵から這い上がってきたかのに重点を置いてくれているのが、本書を秀逸と感じた所以。彼女が受けたキズに比べれば、私たちを悩ます大抵の不安や不満の類は、チッポケなものに映ることだろう。


だから、自分も負けない。負けられない‥‥。そんな強く生きる活力を与えてくれる良書。自らの意思で綴ったという菊間さんの懐の深さと勇気に、あらためて感謝申しあげたい。

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ラベル:菊間千乃
posted by 羽夢 at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 野球雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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