‥そろそろ「潮時」だろうか。二刀流は観てる我々も愉しかったし、私自身も肯定的な意見を繰り返し述べてきたが、入団当初から云われていたように、やはりケガが怖い。どうしても怖い。野手として出場しているときなど、いつもヒヤヒヤしながら見守っている自分がいたのも、偽りのない事実だった。
もし、デッドボールでも当てられて長期離脱となれば、それは同時に先発投手を一枚失うことを意味する。チームにとって「野手・大谷」がいなくなるよりも、はるかに痛いダメージだ。なんとしても避けたい‥。だから、今このタイミングがベストなのではなかろうか。投手だけに専念をする...
バッターとしても、たしかに魅力的だったけれど、もう十分だ。十分「二刀流」を堪能させてもらった。誰も失敗だったなんて云わない、云わせない。ファンも一週間に一度の大谷翔平でガマンする。今はただただ‥野球の申し子のような彼を拝めない日々が、こんなにも辛かったなんて...
“大人”がソッと声をかけてあげてほしい。『よくやった。あとはもうチームのために投手として頑張ってくれ』 と。たとえ本人が続けたいと云ったとしても、『人間、何かをやめたり諦めたりする勇気も、ときに必要なのだ』 と。
一方、明るい話題もあった。
◆ハム有原いよいよデビュー!初戦5・14西武戦濃厚 ※nikkansports.com
これももちろん嬉しいのだが、まあ順当なところだろう。ファームでも好投をしていたし、5月半ばなら今後の活躍いかんによってはギリギリ新人王が狙える時期。今のところパ・リーグにはめぼしい新人選手がいないようだから、有原にもチャンスがありそうだ。
そして、これよりも筆者が驚愕したのは明日3日の千葉ロッテ戦の先発に、高梨裕稔(23)を持ってくるのだという...
憶えているだろうか。有原のプロデビュー戦となった3月22日のファームの試合で、彼のあとを継ぎ、4イニングス打者14人に対して実に10個もの三振を奪った投手を‥。そう、その投手こそが高梨だった。情報によると鎌ヶ谷の「ドクターK」と化し、投球回数「25」をはるかに上回る41奪三振。これはイースタンリーグ堂々の第1位だ(5月1日現在)。
いったい一軍でどんな投球をみせてくれるのだろう。高梨がモノになって有原がデビューとなると、先発投手がますます飽和状態になってしまう。喜ぶべきことなのだけど、はて‥ふと立ち止まってみればいつからハムは、このような「投手王国」へと変貌を遂げていたのか?昨年までピッチャーが足りなくて、ヒーヒーいっていたのに(苦笑)
おそるべし、球団の育成力。そんな頼もしすぎる鎌ヶ谷ヤングハムを、私は誇りに思う。5月攻勢に乞うご期待だ。