今回は栗山英樹著「覚悟 理論派新人監督は、なぜ理論を捨てたのか」の感想その他諸々を語っていきます。なお、私の視点はかなり“クセ”がありますので、参考にならない部分も多々あるかと思われます。あらかじめご了承くださいませ...
前回ライオンズが優勝したときに渡辺久信監督がお書きになった「寛容力
んで、内容の方はといいますと、監督の視点で印象に残った試合や今シーズンの「栗山野球」を象徴する、“分岐点”となった試合を振り返っているのが後半の主。前半部は監督就任にいたった経緯や決意表明、またペナントレース開幕まで自チームの戦力分析をしたり、キャスター時代の思い出話などもチラホラでてきます。
でもやっぱり一番関心を持つのは、皆さまもそうだと思うけど、監督と選手とのマル秘なエピソードでしょう。糸井・田中・鶴岡ら、主力選手たちがシーズン中に語った、キャラと異なる?意外な一言‥。おそらくそこに一切の脚色はないはずです。たとえばこちらご覧ください。
【なんかこう、頭が真っ白というか、興奮しています】
【もうやるしかないという気持ちで、去年ダルさんがいなくなった穴を絶対に埋めるという気持ちで、この開幕ゲーム、臨みました】 ※P46より
斎藤佑樹が開幕戦で勝ったときの、ヒーローインタンビューでの言葉を載せていたんですけど‥何か気づいたことはありませぬか?
『、』 いわゆる読点を置く位置!これがあのときの「斎藤の間」に、ピッタリと一致しているんですよ。さすがは新聞でコラムまで書いていた一流の伝え手!(笑)
戦術面ではその監督が『頭の中が真っ白になってしまった』という思考停止状態になってしまった試合のことを赤裸々に綴っていたり、先の日本シリーズ第4戦では延長で残った野手がひとり‥なんて事態も起きてしまったけど、この本を読むとなるほど頷けてしまいます。
ファイターズファンを始め、野球が好きな方にはもちろん、小題の【組織をひとつにする言葉の力】 【リーダーは姿勢で示す】 【期待するからこそ褒めない】などでも見られますように、ビジネスマンにおいても参考になりそうな部分は多いです。
新米監督でありながら、今シーズン見事チームをリーグ制覇に導いた“持ってる”男・栗山英樹さんの「覚悟」。まだお読みになっていない方はこれを機会にぜひお手元に置かれてみては?
日本シリーズではプロ最速の147キロ。この男もやっぱり、持っている!