2012年08月14日

【年輪】 森内壽春

どうやら2012年は“当たり年”だったようだ。


昨秋のドラフトからキャンプ時にかけて、藤岡・菅野・野村の「大学ビック3」の動向が大いに注目されてきたが、それ以外の新人選手の健闘ぶりも今季は目立っている。特にパ・リーグにおいては各球団、すでに1軍で戦力となっているルーキーが必ず1選手はいて、さらに驚くのは下位での指名でプロの門を叩いた選手たちが、この中に多く含まれているという点...

新人王候補の筆頭とも呼ばれている千葉ロッテの中継ぎエース・益田直也は4巡目、交流戦で満塁本塁打も記録したオリックス・川端崇義にいたってはラスト、8位指名。社会人出の20代半ば、いわゆる“高齢”選手の指名はどの球団も獲得を見合わせる傾向がある。そんなリスクを伴ったなかで、昨年下位に沈んだ両チームでしっかりと【即戦力】としての期待に応えているのだから、この両選手の活躍は賞賛に値するだろう。


その川端と同学年にあたる27才、ファイターズの遅咲きルーキー・森内壽春も今やチームに欠かせない選手の一人となっている。ドラフト直前のJR東日本東北時代に完全試合を達成したとはいえ、ファンも‥おそらく現場サイドでさえも、ここまでの活躍はさすがに予想していなかったかもしれない。

開幕から1軍ベンチ入り。当初はビハインドの展開で登板することも多かったが、そこで好投を繰り返し、自力で首脳陣からの信頼をつかみ取ると、徐々に勝ちゲームでの登板も増えていった。現在では主にセットアッパー・宮西尚生の前を投げる、さながら【6回の男】といった感じ。

プロのような“長丁場”は未経験ということもあってか、一時期打ちこまれてしまうシーンも目についたが、ここにきてまた復調してきた気配。特有の糸を引くような、キレのあるストレートが外角に決まり、相手打者の見逃しを奪うシーンは何度見ても痛快だ。

栗山監督は開幕前に森内を後ろで起用するか、先発で起用するのか随分と迷ったらしいが、今思うと監督の決断は【吉】とでたのではないか。中継ぎというポジションが森内には合っているというか“ハマっている”気がする。とにかくコントロールが抜群に良い投手なのだ。緊迫した場面で無駄な四球を与えない森内が登板するだけで、何ともいえない安心感を我々にも与えてくれる。


しかし、面白いものだ‥。昨年のドラフト会議で一悶着あったが、ドラフト5位指名の森内壽春が“ドライチ”ばりの活躍をしてくれるのだから。よもやといってもいい、高卒捕手の近藤健介(ドラフト4位)までも戦力になってくれているし、ファイターズの新人もやはり【当たり年】といって良いだろう。


‥森内は高校時代、同点の場面で2アウト2ストライクまで打者を追い込んでいながら決勝の一打を打たれ、甲子園出場を逃がしたという苦い経験を持っている。過去に同様な経験をした投手がファイターズにいる。現在エースとして君臨している、関東一高時代の武田勝。彼もまた、リードしていた9回2死・2ストライクの局面からの逆転劇を味わっていた。

社会人を経て27才という年令でプロ入りしたのは森内と重なる部分もある。振り返ってみれば武田もルーキー時代は地道に中継ぎとして経験を積んでいき、いつしか球界を代表するような左腕投手となっていた。アマチュア時代に身をもって知った1球の怖さ‥。この経験はプロでもかならず生きるだろう。プロの舞台に辿りつくまで遠回りはしたけれど、34才になった今も光を放ち続けるチームの先輩がそれを実証してくれている。

フレッシュな高卒投手も良いが、多少の“苦労人”の方を応援したくなってしまう心理‥。自分もそれだけ年を取ったということか。






posted by 羽夢 at 00:31| Comment(4) | TrackBack(0) | FSコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
リクエストに応えていただき、ありがとうごさいます。

連日のように投げる新人中継ぎ投手達。故障などせず、息の長い選手になってもらいたいものです。

一昨日の試合は、テレビ埼玉で見てました。普段は仕事柄なかなか家で中継をみられないものですから、試合中盤以降、「頼むから森内出してくれぇ」と祈ってました。結果は残念でしたが。

それにしても武田勝投手と似たような球歴の持ち主だったんだ…。やはり私は苦労人を応援したくなります。この傾向、私は中学以来です(苦笑)。
Posted by EILEEN at 2012年08月14日 01:08
羽夢さん、こんにちは。

武田勝投手が関東一高でそんな経験をしていたなんて知りませんでした。

最近はそうでもないのですが、ファイターズはドラフトで好かれていませんでしたので、なかなかメジャーな選手を獲得できなかった時代もありました(あくまでも私見ですが)。小笠原選手にしても300本塁打を打つような選手になるとは誰も思っていなかったと思います。

これからも隠れた逸材(失礼!)にどんどん活躍してもらいたいですね。
Posted by 南の国から at 2012年08月14日 15:08
>EILEENさん

それはオーディズ選手にホームランを打たれた試合ですね(笑)ただ、意外と彼はチームが勝っている時の方が良いピッチングをしてくれるのですね!その辺も含めてセット向きなのかなと。

>>私は苦労人を応援したくなります

それで私のことも‥。嘘です(笑)これからもファイターズの森内投手、そして武田勝投手をよろしくお願いいたします!
Posted by 羽夢 at 2012年08月14日 22:01
>南の国から様

こんにちは!いつもありがとうございます。
そうですね、東京時代はアマチュアの有望選手にはことごとく敬遠されてきました。浦学の須永投手も指名直後は相当落胆してましたからねぇ(笑)

近藤捕手も将来性を感じますよね。キャンプ時は大嶋選手ばかり目立っていましたが、隠れた逸材は本当!どこにいるのか分からないものです..
Posted by 羽夢 at 2012年08月14日 23:41
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。