さて、ここからはセ・リーグの上位チームと対戦が控えています。“負けなし”ジャイアンツを含め、どの球団も一筋縄ではいかなそうです。ホームではできれば2つ取っておきたいところですが、どうなるでしょうか。ファイターズは25日から札幌ドームに昨年のセ界覇者・中日ドラゴンズを迎えます。
私、今季一新されたドラゴンズ首脳陣の顔触れを見ていて『あぁ..いいなぁ』と感嘆してしまったのですよ。落合政権のときはどちらかというと“外様”が目立ちましたけど、今まさに【ドラ一色】って感じじゃないですか。監督の高木守道さんを含め、投手コーチにはアノ権藤さん!宇野さんに平野謙さんに井上一樹さん‥。当時を彩った往年の名プレーヤーたちが各部門に配置されて。2軍を受け持っている今中さんや川又さんなんかもモロ“自分世代”。ドラゴンズファンにはもっとたまらないんじゃないのかな。
極めつけは“元エース”の川上憲伸と、10年ぶりに名古屋に帰ってきた山崎武司の復帰!この補強などは一時期ささやかれていた「人気低迷」打破に向けて、並々ならぬものを感じました。ファイターズに例えるなら小笠原道大とダルビッシュ有あたりが一緒に戻ってきたような感覚?(笑)
相変わらず投高打低なイメージは拭えませんけど、ピッチャーに関してはベテランから中堅・若手にかけて非常にバランスの取れた陣容で相変わらず大崩れはしなさそうです。谷繁が元気な今シーズンも優勝争いにはかならず顔を出してくるでしょう。年令からいってもそう長くは指揮を取らないであろう高木監督に「最後の花道」を飾らせることができるでしょうか。
先ほどの首脳陣の話ではないですけど、選手も堂上兄弟だったり浅尾投手であったり 【名古屋色】が強いですよね。他球団と比べても地元出身の選手を多く獲得する印象を受けます。ちょっと注目したのは近藤真市1軍投手コーチを長谷部裕同捕手コーチ?この両名は亨栄高校時代バッテリーを組んで甲子園にも出場していました。なんかこうして今も“チームメイト”でいること自体すごいなと感じてしまったのですが、近藤投手といえばあの年のドラフト....関係者は歯がゆい思いをしたんじゃないのかな。
ほら、1986年は近藤投手をクジで外したファイターズが西崎幸広投手を指名したじゃないですか?ご存知、元トレンディエース!彼は愛知工大出身ですよ。“地元愛”を謳うドラゴンズだけに、その後の人気と活躍ぶりをみながら心中複雑だったのではないかと(もっとも近藤さんも“伝説”はつくりましたけど)。
亨栄高といえばこんな繋がりもありました。ファイターズの正捕手として一時代を築き、同校のOBでもある大宮龍男さん。1987年オフに大島康徳選手らとのトレードでドラゴンズへ移籍しました。
この大宮さんも今で言うところの 【持ってる男】。1981年はファイターズでリーグ優勝に貢献し、ドラゴンズ・さらには次に渡った西武ライオンズでも移籍初年度に優勝を経験しました。日本シリーズに出ることが夢だったり目標であったりというプロ野球選手も多いなか、在籍した3球団すべてで出場できたのは強運としかいいようがないですよね(中嶋聡も達成しています)。
でもこれだけじゃないんです。
大宮さんは現役時代、強肩・強打の捕手としても鳴らしていたのですが、1980年7月29日の南海ホークス戦でサイクルヒットを達成されています。何は凄いって、この年打ったホームランと三塁打は各1本ずつ!つまり1日にまとめて打ってしまったために、サイクルを記録できたのです。なかなかの“持ち度”でしょう?
指導者としてはファイターズの打撃コーチとして、初代・ビックバン打線を形成させました。あの独特なギョロギョロした目をベンチから光らせていたのは、よく覚えてますね。
サイドバーに“捕手ランキング”というのが設置してあります。 ファイターズファンでもドラゴンズファンでも...これを見て久々に『あ、オーミヤって良いキャッチャーだったよなぁ』と思い返してくれた方は、あらためて大宮捕手に一票いれてあげてください(笑)
※次回は巨人編!