2012年05月08日

『苦役列車』 そして、貫多に...

西村賢太さん著『苦役列車』を今読んでいる最中です。普段からあまり小説を読む質ではないのですが、話題にもなっていましたし、なにげなく書店で手にとってみました。最初の5、6ページ目を通していると、たちまち“西村ワールド”に引き込まれてしまい‥。優柔不断な私も、この日ばかりは問答無用で本の購入に至りました。

考えてみたら、芥川賞受賞作品を読むのはこれまでの人生において「初」です。先ほど話したように小説は苦手というか、どこか受け付けない自分がいたのですけど、不思議なことに苦役列車に関してはスラスラと入っていけました。どうやらこのタイプは“私小説”と呼ばれるものらしいですね。いわゆる自伝に近い感じの。私は元々それほど頭を使わなくて済む(笑)、ノンフィクション系は好きでしたし、その為だったかもしれません。






派遣バイトやら風俗...(苦笑)実際に経験をしていないとわからないような事柄も、たくさん本の中に出てきます。自伝だけに、またそれがもの凄くリアルな言葉で綴られています。私が主人公の貫多のような“派遣生活”をしていた時期もあって、共鳴できる部分も多々ありました。

目に見えるものだけではなく“厭らしさ”というか、そういった人間が持つ「闇」も、巧みに描写されています。人の幸せ...それがたとえ自分の友人であっても、心からの祝福をしてやれない。でも、貫多もそれは自分で意識はしているんです。「生い立ちや過去に起きた出来事が今の自分を形成した。だから仕方ないんだ」と言わんばかりに、もう半分開き直っているだけで‥。


塞ぎこんでいるときにこれを読んでも、おそらく明るい気持ちにはなれないでしょう。ただ、都会の片隅でときには絶望し、ときには這いつくばって何とか光明を見出そうとしている主人公の姿を見て【私よりダメな人がいる】【俺よりも情けない奴がいる】そんな風に、一見後ろ向きな「勇気」をもらえる可能性はあります。なにかこういった読者への励まし方も、西村さんっぽいですよね(笑)


そして、貫多に好感を抱いてしまった、個人的な理由がもう一つ。

‥仰天しました。実は彼、ファイターズファンだったのですよ(笑)。その辺の情報は事前にまったく掴んでいなかったので、本当に驚きましたね。それこそいつかの渡辺久信監督ではありませんが、軽く「運命」感じてしまいました(笑)。出合うべくして出合ったみたいな。

日本ハムがまだ後楽園球場を本拠地にしていたころの話が本の中に数回あります。菅野選手なんかが登場してきてしまうんですよ!(※智之ではありません)これだけでもファイターズファンの方は一読の価値があるかも?


って、すみません。
ファイターズ絡みの話が出て、じゃっかんヒートアップしてしまいました(笑)。今は青年期まで読み終わり、貫多の物語はこれから最終局面を迎えていくところです。ワクワクしています。




posted by 羽夢 at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 羽夢日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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