2012年03月13日

球道無頼 -こんな野球をやってきた-


親分に助けてもらいました


たまたまその日、気分的に落ちていてなんとなく凹んでいました。ふとしたきっかけで【球道無頼】という一冊の本と出会い、目の前がパッーと明るくなりました。心の底から笑っていたんですね。そこからジンワリと『あぁ、こんな人だったよなぁ』って、あったかい気持ちになっていって‥

皆さんもよくご存知で、ファイターズの監督を務められていたこともある大沢啓二さん。この本はかつて週刊プレイボーイに連載されていたのをまとめたもので、ご自身の野球人生を振り返っています。大沢さんの言葉をそのままライターが書き記したような文体で、あの「べらんめぇ」が全開!生前のお姿が目に浮かんでくるような本になっています。






立教大時代やファイターズ監督時代のエピソードはテレビなどでよく語っていたので、ある程度知識を持っていたつもりだったのですが、南海ホークスでの現役時代、とくに東京オリオンズでの監督時代は今まであまり耳にしたことがなかったので目から鱗でした。そうなんですよね、親分は私も一度行ってみたかった、オリオンズが 「東京スタジアム」にいたころに監督を務められていました。そこでの思い出話や永田雅一オーナーの人物像について触れていたり、2軍監督時代の優勝旅行秘話、試合中に得津選手を“ぶん殴った”エピソードも傑作でした(笑)

現役時代は鶴岡一人監督や同僚の野村克也さんはもちろん、それからのちにファイターズでも師弟関係となる、村上雅則さんに関する裏話も大変興味深いものでした。伝説の御堂筋パレード、ビールかけにまつわる“トリビア”も一読の価値あり。


ファイターズの監督になってからも新しい発見が数多くありました。まず監督就任の経緯。水面下で太平洋監督就任の話が進んでいたとか、その他にはオールドファンなら気になっていたであろう、『なぜあれほどまで大胆なトレードを敢行したのか?』 『木田勇はなぜ2年目は不調に陥ってしまったのか?』などの理由を親分が赤裸々に語ってくれています。

一番驚いたのは、1981年の巨人との日本シリーズ第2戦。8回に間柴茂有投手がホワイトに逆転2ランを浴びてしまい、チームは敗れてしまうのですが、その直前に何かを嗅ぎ取った親分がマウンドに向かっていたということ。これは当時の記録やVTRの一部をみてるだけでは知りえませんよね。ここでもまた『間柴のヤローが俺の忠告きかねぇから‥』なんて愚痴が始まってしまうんですけど‥(笑)。それと翌年のプレーオフの際に日ハムナインが泊まったホテルが『掘っ立て小屋』(親分談)だったそうで、一体どんなところだったのか気になってしまいました。


そうそう、監督時代に自らが獲得に動いた江夏豊さんのチーム内での“扱い”に、当時そうとう苦労されていたみたいで、その江夏さんと立教時代の後輩・長嶋茂雄さん。それぞれ両者と対談した模様も収められていて、なんとも贅沢です。ミスターがタジタジになってしまう人って、あのころは親分ぐらいじゃなかったのかな(笑)

極めつけは日ハム常務時代。PL学園・清原和博に送ったという手紙の存在、イチロー選手がファイターズのユニフォームを着ていた可能性もあったという、仰天エピソード‥。驚きの連続でした。


本書は“暴力ネタ”もたくさん出てくるんだけど、『俺たちは命張って野球やってんだ!』で周囲を頷かせて、ガハハと笑い飛ばせてしまうのは球界広しといえど、大沢親分だけでしょうね。懐かしくて笑えて楽しい良書だけど、どこか今その親分がいないのだと思うのとやっぱり少し悲しくもなってきて。活字だけじゃ物足りなくて、また会いたくなってしまいます。

以前、モルツのイベントかな。東京ドームの関係者通路で江夏さんとの“ツーショット”に遭遇したときはビビりました。それこそ 「親分・子分」みたいな感じで、恐ろしかったぁ(笑)。でもあの二人を間近に見ることができて、野球少年のように興奮してしまったのをよく覚えています。

これを書いているうちに、また泣けてきてしまいました。大沢啓二さん‥ アッパレな野球人生!とくと見届けました。本当にありがとうございました。






posted by 羽夢 at 16:18| Comment(3) | TrackBack(0) | FSネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
私もこの本読みました。なんといっても、親分の口調そのままの文体が魅力的な一冊ですよね。亡くなった直後に改めて読み直しました。

バファローズとファイターズの後楽園決戦で自軍の攻撃に飛ぶボールを使用した、なんていうエピソードには驚きましたね。結局裏目に出るというオチがありましたが…。
Posted by EILEEN at 2012年03月17日 18:20
>EILEENさん

そうなんですよ!親分口調のまんま。あのような本に出会って感激しました。オチありましたねぇ。噂では聞いていましたが、盗聴器の件!あれも本当のことだったのですね(笑)

ところでファイターズの開幕投手は誰になるのでしょう。例の記事今か今かと待っているのですが(笑)。私はどこまでも斎藤を推します。彼で勝ったら、ファイターズはきっと優勝できますよ。
Posted by 羽夢 at 2012年03月17日 20:01
こんばんは。自論なのですが、名監督(定義が曖昧ですが)は名監督の下からしか出てこない、と思っています。タイプは違うようですが、大沢親分も密かに鶴岡御大の影響が少なくなかったと推測しています。
東京スタジアムですが、1975?年位まで建物が残っていましたので地下鉄の高架から眺めたことはあります。下町的な街並みにひときわ異彩を放っていました。ゲームセンター?が併設されていたと近所に住む友人から聞いたことがあります。
Posted by 南の国から at 2012年04月02日 19:37
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。