2011年08月06日

氏田秀男vs1ハムマニア 【それでもカレはやってない】


もし天国にいる彼がこの本を読んだら、おそらくこう言っていただろう。


『It is not me!』


私が代弁しておくからもう大丈夫だ。安心して眠るがいい。



氏田秀男著プロ野球 トリビアの泉。この本の16、17ページに「打者に一球も投げていないのにセーブをマークした投手もいる」というお題で、日本でも2例しかない珍しい記録について触れている。そこにある日のファイターズ戦のことも記されているのだが‥

1981年6月4日の後楽園球場。対南海ホークス前期11回戦。この日はファイターズが序盤に一挙5得点を奪い試合を優位に進めてきたが、終盤に中継ぎ以降の投手がつかまってしまい、ホークスに逆転を許してしまう。それでも必死に追いすがるファイターズは最終回に1点差まで詰め寄り‥ そんなスリリングな試合展開。

ここからが本の内容となる。【三浦(※1)がマウンドに上がったのは9回裏2死一塁にソレイタを置いての場面だった。ウォーミングアップを終えて、セットポジションに入った三浦は、ややリードの大きいソレイタを見て、一塁に矢のような牽制球を投げたのだ。塁審の右手が上がって「アウト!」‥】※1三浦政基

この牽制タッチアウトにより三浦の0球セーブが成立したと書かれている。だが、違うのだ。ある決定的なことが間違っている。

9回2死からT・ソレイタはたしかに出塁しているのだが、肝心なのはここから。実は代走として井上晃二という、当時まだ20才だった若手選手が起用されているのだ。よって一塁で刺されたのはソレイタではない。お世辞にも足が速かったとはいえない、ソレイタなら決して“大きな”リードはとらなかったであろう。氏田氏はソレイタを井上と見間違えたのか?単なる勘違いか?これはその時の証拠となる資料。


FightersvsHawksk.inoue
※レコードブック1982より



同点のランナー、代走として出ていって牽制死された井上も“罰金モノ”だが、事実ではない情報をいかにもソレイタに落ち度があったかのように、本で書いてしまった氏田氏はもっといただけない。「伝承者」は物事をきちんと、正確に伝えていかねばならない。

ただでさえ30年も前の話、実際に試合を観ていた者も少なく“当事者”ソレイタも当時の監督・大沢啓二氏も、もうこの世にはいないのだから‥


posted by 羽夢 at 16:21| Comment(2) | TrackBack(0) | FSコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。

そうなんですよね。意外と野球本はその記述に誤りがありますよね。私も過去の試合について書いてますが、本はあくまで参考に。出来る限り、当時の新聞、雑誌を読んで、記憶の裏付けをするように心がけてます。
それでも間違えることがありますから、過去を書くのは難しい作業ですよね。
Posted by EILEEN at 2011年08月07日 00:20
EILEENさん、こんばんは。

そうなんですよね。そこれそ数え上げればキリがないのですが、一応本の名前が“トリビア”ですからね。間違っていることを知ったかぶりするのもどうかと思って。とりわけファイターズの選手のことに関しては今後も見逃すわけにはいきません(笑)

EILEENさんにリクエストするとしたら村田辰美投手の記事が見てみたいです。最近とあるデータをみていたらとても気になりましてね。左腕のアンダー?って大変稀少価値ではないですか?お時間がありましたら是非よろしくお願いします!
Posted by 羽夢 at 2011年08月07日 21:37
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