2010年01月01日

小笠原道大【ファイターズ版・ガッツ列伝】

守備で手痛いミスを連発してしまったこともあった・・
打撃はチャンスで勝負弱いと、酷評されることもあった・・
太陽のような存在だった選手を前に、影に隠れてしまう事もあった・・



だが、この男の存在なくしてファイターズの44年ぶり日本一は、成し
得なかった。対峙した投手を睨む、鋭い眼光・・高々と掲げたバット・・
そして、立派な髭を蓄えた男らしい風貌に【不言実行】、寡黙に己のス
タイルを貫いた。その姿はまさに【侍】の呼び名に相応しい。

侍・小笠原道大。ファイターズの侍から、いつしか日本の【サムライ】に
なった、ガッツの物語・・


        michihiro ogasawara
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あれは移転元年、札幌で行われた団結式の時だったか。雪の降りしきる
極寒の地で小笠原はファンに力強く、こう宣言していた。

『北海道を日本で一番、熱い大地にします』

野球とはかけ離れた情景に、もう20年以上も優勝から遠ざかったチーム
とあって、特に東京時代からの私のようなファンは、これも『リップサービス』
の一貫・・そう軽く聞き流してしまいそうな、微笑ましい一コマに過ぎなかった。少なくともあの日までは・・

『宣言』から3年後。まさか、こんなにも早く【有言実行】してくれるなんて、
あの時、誰が想像できただろうか。


マリナーズ・イチローが日本の最多安打記録、3085本に近づいてきた時、
従来の記録保持者、張本勲氏と良く比較されることがあった。打撃に関して
はイチローより、この小笠原の方が近い存在だったと、いえるかもしれない。
毎年3割を優に超す高打率、そして30本塁打以上の長打力・・。

左右に打ち分けることのできる確実性に、パンチ力も併せ持っては投手側
からみて、これほど恐ろしいバッターはいない。あくまで数字の上でだが全
盛時代の東映・張本をも彷彿とさせる、高次元の打撃力。

その絶頂期にいたのが2003年だった。打率.360、本塁打31、打点100。
得点圏打率.442、出塁率は驚異の.473。自らも出塁し、チャンスメーク、
塁上にランナーがいれば、それもキッチリ還す。こういった【無敵の構図】が
できあがっていた。 ⇒パ・リーグランキングへ

ただ、小笠原が打てども打てども・・。チームの白星には結びつかない。
筆者がファイターズを追いかけ、東京ドームに通いつめていた頃、まさに
そんな時だった。低迷を続けるチームの中で孤軍奮闘、一人黙々と打ち
続けていた小笠原は、全国区の選手が少ないファイターズ選手の中にお
いて、唯一といってもいいほどのスター選手、ファイターズの『誇り』だった。

そして、当時それほど目立たなかったが、こういった記録もある・・



512試合連続出場。どちらかというと野球選手の中では小柄な
方の部類に入る小笠原。それに身体を目いっぱい使うあのフルス
イング。どこかしらに故障個所や体調が万全ではない日もあった
はずだが、試合には出続ける。強靭の身体に強い精神力、日頃か
らの自己管理が行き届いていないと、成せる業ではない。

後に、この試合を休まない『ガッツイズム』が巨人・原辰徳監督に
見込まれ、FAで巨人へと移籍することになる。


     michihiro ogasawara
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数多い、小笠原のファイターズ時代の殊勲打で一番を選ぶのは
容易ではないが、個人的に印象深い一打は・・

■98年7月7日近鉄戦 7回の代打同点2ランプロ初アーチ

入団2年目の小笠原は、この時まだ捕手登録。前述のように捕手
らしくない、スリムな体系から放たれた強烈な弾道は、ライナーで
ライトスタンド中段に突き刺さった。いささか非力だと思われていた
当時の小笠原の【驚弾】に、ファンは度肝を抜いた。


■04年10月2日 プレーオフ第1ST西武戦

ちょうどこの頃、タイトルは獲得するけど、大舞台やチャンスに
なると打てない、こう揶揄されていた時期だった。チャンスに打
てないとされた小笠原が6回に回ってきた好機に、決勝のタイ
ムリー。この日、3安打2打点の活躍で、キッチリ大舞台でも強
いところを証明してみせた。

■06年3月25日 東北楽天戦

第1回WBCで活躍をみせた小笠原がシーズン開幕戦となった
この日、いきなりスタメン出場。その第1打席、まだ『世界一』の
興奮冷めやらぬ、札幌で一場靖弘から豪快に右翼席へ叩きこ
んだ。この『号砲』で幕を開けた06年のファイターズは、秋に
44年ぶりの日本一という、最高の形で【結実】した。


ジャイアンツに移籍後はファイターズ時代と変わらぬ豪打をみせ、
3連覇に貢献。巨人にFA移籍した選手は大成しないという不吉な
ジンクスを見事に覆して、堂々たる活躍をみせている。


今年行われた巨人vs北海道日本ハムの日本シリーズで、テレビ
のゲストとして招かれていた清原和博氏が『ガッツ』の愛称の由来
について『ガッついてるから?』なんて、茶化すように同じくゲストの
新庄剛志氏に尋ねていたが、あながち嘘でもなく、OBの岩本勉
によると、『飯をガッついて食うから・・ガッツ!?』こんな説も一理あ
るらしい。はたして真相はいかに?

≪参考文献≫『ガンちゃんの世界一おもしろいプロ野球の本』
≪関連書籍≫魂のフルスイング
        ジャイアンツ小笠原道大カレンダー 2010

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