こんな呼び方をされる、プレーヤーがいる。阪神タイガースの選手で
よく用いられることが多く、川藤幸三・真弓明信・八木裕・最近で言え
ば桧山進次郎といった辺りが、【神様】な存在になるのだろうか。
試合を決める、または決めることのできる『ここぞ』の場面で登場して
くる、最後のカード・またはとっておきの切り札・・
【役者】が打席に立つだけでスタジアムの雰囲気をも一変させてしまう、
そんな独特なオーラを備え持つ、『一振り』に賭けた男たち・・
日本シリーズなどで触れられることも多かったが、今年のファイターズ
は代打陣の成績がよく、坪井智哉や稲田直人ら軒並み好成績を残した。
結果を残してきた彼らですら、【神様】の域までには達していない。無論、
スタメンで出場する機会が結構あったことによるもので、その神様の存在
意義と、どこか少し『ズレ』が生じてしまう。神様は、やはり『打つ専門』で
なくてはならないのだ。
かつて、ファイターズにも【神様】がいた。
大島康徳 (おおしま・やすのり)
通算代打本塁打記録、日本歴代2位の20本。セ・パ両リーグで活躍し、
通算2204安打を記録した大打者だ。 ⇒パ・リーグランキングへ
37歳の時、ドラゴンズより移籍。『やれても2、3年・・』が大方の見解
だったがファイターズには7年間在籍、44歳まで現役生活を続けた。
トレードによって選手寿命が延びた、好例と言えるだろう。
その間、通算2000本安打・1000打点達成など記録ラッシュとなった
が、最晩年は『一振り稼業』で現役生活をまっとうした。
93年は47試合出場で、47打席。つまりオール代打!
(42打数11安打.5四球.打率.262.本塁打0.打点8)
年齢を感じさせない、力強いスイングから右に左へと放たれる打球に、
勝負強い打撃で東京ドームは何度も大歓声に包まれた。
現役最終年。1994年5月4日のホームランは特にドラマチックだった。
西武球場での対ライオンズ戦。3−5で迎えた、8回表2死満塁の局面。
このチャンスで登場したのが、代打の切り札・大島康徳。
L・新谷博の外角直球を逆らわずに右方向へ。右翼芝生席に突き刺す、
技ありの逆転グランドスラム!43歳で放った満塁弾は史上最年長での
記録達成となった。
この日の当時・ファイターズ監督であった、大沢啓二氏のコメントが・・
『それにしても、大島は野球選手の鏡だねぇ・・』
この言葉の中に大島の野球に対する姿勢、人生そのものが凝縮されて
いるようで、とても印象深いものだった。
そして・・
大島康徳、現役ラストゲーム。9月29日、ドームでの千葉ロッテ戦。
スタメンDHで出場すると、伊良部秀輝から4の2。マルチ安打で有終
の美を飾った。最後のセレモニーで裏方やスタッフに真っ先に感謝の
意を表した大島・・。最後まで大島らしく、どこまでも『野球選手の鏡』
を貫き通した。
≪あとがき≫
2000年から3年間に渡る監督生活では、3度の退場処分を喰らう
など熱血漢ぶり?を披露したが、上位進出はならなかった。
しかし、2006年のWBC第1回大会、日本代表の打撃コーチを務め、
世界一に貢献。久々に持ち前の底抜けに明るい笑顔を見た気がした。
そんな大島も、早いもので2010年に還暦を迎える・・
※大島康徳公式ブログ:大島です。
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今回は、我らの大将大島ですか。
私が丁度中学生の時にファースト大島でした。万年Bクラス のチームの中、勝負強さを発揮してました。サヨナラヒットを打って近藤監督からキスされた事もありましたよね(笑)
チョット?脚が遅かったのでゲッツーも多かったけど…
もぅ〜大島さんも還暦ですか?私も年取るはずだわ。
ありましたね〜近藤氏とのキス話・・^^;私もそのネタ書こうと
思ったんですけど、英雄どころか、『迷雄列伝』になりそうで・・(笑)
今回は差し控えさせてもらいました。
あれは確かドームで放ったサヨナラホームランの時でしたかね。
何か中日時代も同氏からキスされたとか、どうとか言っていたような・・。
選手に愛情をたっぷり注ぐのは有難いですが、願わくばもっと他の形で・・
これが大将の本音ではなかったでしょうか。(・・妙な締め方^^;)