2016年02月10日

「左キラー」に夢みた、男の話

一体、なんなんだ...

無造作で汚らしい髭面。モゴモゴして何を喋っているのか判らない‥。背後に映るバラックのような建物が集まった住宅群も相まって、まさに“墜ちぶれてしまった人”を、地で行っているではないか。あの野村貴仁の近影には、心底衝撃を覚えた。


現役最晩年。一年だけハムにいたことがあって、誰だったか失念してしまったけれど、すごく野村に世話になったみたいなコトを口にする、若手選手の記事を見かけた。‥世話になったといっても、もちろん野球と向き合う姿勢などについてで、今しきり報道されている“アレ”の話ではない。少なくとも件の記事を読んだかぎりでは「頼れる兄貴」という感じしか受けなかったのだが。

当時の長嶋茂雄監督が、彼の能力をずいぶんと買っていたらしく、おそらくその縁もあってトレードでの巨人入りが実現した。ハムにいた頃は、往時の面影はすでに失われていたが、2003年の入団が決まった時点では、私は大いに歓迎していたものだ。


‥夢を見ていた。ブルーウェーブ時代の野村は、とにかくすばらしかった。小気味よく、弾丸ごとくの直球が次々と投げ込まれる。強打者を相手にしても怯まず、強気なところもいい。こんな投手、こんな「左キラー」がうちにもいたら、どんなに助かるだろう。

当時、ハムは慢性的な左投手不足に泣いていた。したがって、その野村と、ロッテにいた河本育之に対しては、いつも羨望の的だった。あぁ当たり前のように左打者を封じてくれる、彼らのような投手がハムにもいてくれたら...


人の縁とは不思議だ。そして、奇妙。ともに巨人という“回り道”をしながらも、ハムに辿りついたのである。河本も野村の翌年に、トレードでやってきた。夢は、一応叶った。ただ、どちらも自分が思い描いていたものとは、いささか違っていたけれど。


‥私は思うのである。昨年のオフあたりから、現役だった選手も、栄華を極めたOBさえも‥‥一体どれだけの野球ファンを嘆き哀しませれば気が済むのか。子供たちに夢を与える商売?ふざけるな、と云いたい。大人の“どす黒い”部分をさんざん見せておきながら。

むろん、まっとうに「野球道」を歩んでいる選手の方が圧倒的に多い、はず。ゆえにそうした選手が気の毒に思えてきてならないのだ。“いまの”野村のような姿を見せてはならない。私の中にいる彼は、ブルーウェーブ時代の、憎たらしいくらいに抑えこまれていたときの姿‥。人がプロ野球選手に夢を見るのは、そういったものだ。




ブログランキング・にほんブログ村へ

posted by 羽夢 at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 野球雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。